次世代自動車戦略研究所®とは

未来の自動車はどこへ向かうのか?
そのアンサーを指し示すことが
私たちの責務です。

自動車の誕生以来の「クルマの概念が変わる時代」を迎えて

地球規模での資源・環境問題に対する回答として、トヨタが総力を挙げて次世代自動車であるプリウスを開発・販売して30年近くが経とうとしています。

この間に次世代自動車は当初の予想をはるかに超えて社会に浸透・進化して押しも押されぬモータリゼーションの主役となるに至りました。

クルマはその誕生以来、常にエンジンという内燃機関によってエネルギーを生み出し、駆動力としてきました。さまざまな技術が投入されて日々飛躍的に進化し続けてきたクルマですが、この基本構造だけはずっと変わることはありませんでした。

しかし今やエンジンとモーターを併用するハイブリッド車や、エンジンそのものを持たずモーターで駆動する電気車など、自動車の構造そのものが根幹から大きく変わってきています。これはまさに自動車にとって歴史的なターニングポイントです。

さらにもうひとつの大きな課題である安全性に注目した多彩な機能も搭載され、やがては自動運転化によって「ヒューマンエラー」というリスクまでもが消滅しようとしています。

自動車の概念そのものが大きく変わり始めている今。それは自動車の歴史における大激動の時代だと言えるでしょう。

クルマが単なる駆動機械ではなく、自律移動型のクライアントになる未来

衝突回避支援ブレーキを始めとする機能の数々がすでに市販車に標準搭載されている現在。世界中の車メーカーは「自動運転」を合い言葉に、火の出るような競争をくり広げています。

人が運転操作から解放される未来。その実現に向けて自動車の技術的進化はもちろんのこと、道路上を走るあらゆるクルマの位置やスピードなどを把握するための多彩なセンサーや、取得した大量のデータを瞬時に処理できる大容量のサーバ、そして5G高速通信網など社会インフラの整備も日々進んでいます。

これまでのようにクルマが好き勝手に走る社会ではなく、1台のクルマを交通網全体の中のクライアント端末として捉えるような安全で快適な交通社会が、もうすぐ実現できるところまで来ているのです。

ついに電気メーカーが自動車を開発する時代へ

先頃、ソニーが初めて開発した自動車が発表され、大きな話題となりました。

これからのクルマはAI製品や電気製品と同様のカテゴリーに含まれてきますから、これはもはや意外なことではありませんし、今後ますますこうした動きは加速していくことでしょう。

そしてクルマそのものの立ち位置が変わることで、クルマを構成する多彩なパーツ、センサー、制御機器などの開発製造にも、クルマ以外の業界からの参入がこれまでにないレベルで活発化していくはずです。

トヨタは静岡県裾野市にあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクテッド・シティ」を開発することを発表しました。

この街を走る自動車は完全自動運転による移動はもちろん、あらゆる生活サービスの端末となって、より快適な未来の暮らしを実現していくことになります。

「クルマの概念が変わる、100年に一度の大きなビジネスチャンス」。それを逃すことなくしっかりとその手につかむためには、まずは先進の自動車がどんな構造を持ち、またそれぞれの機器がどんな役割を担っているのかを自らの目で確かめ、学ばなければいけません。これをつぶさに知ることで初めて、自分の専門分野を今後のクルマにどう活かせるか、そのヒントを得ることができるのです。

次世代自動車研究所は、最先端のクルマがどう作られているのかを広くご紹介するとともに、自動車業界以外の多彩な業種の方々に新たなビジネスへの可能性を示唆し、未来への種を播いていくことを役割として活動しています。

私たちの主催する各種のセミナーや講演会などを通じて、未来のクルマの姿を肌で感じ、また皆さまの明日を拓く一助としていただきたいと願っています。

講師・研究員紹介

Hiroshi Hida

飛田 宏

  • トヨタ自動車入社
  • 新車開発業務に従事
  • 静岡県優秀技能者表彰受賞
  • 現 次世代自動車戦略研究所®研究員

Takeshi Masuda

益田 武

  • トヨタ自動車入社
  • 自動車用新エンジンや電子制御技術発業務に従事
  • 社内人材教育講座の企画及び講師に従事
  • 現 次世代自動車戦略研究所®研究員